風天塾(ワークショップ・セミナー):桜の季節の京都での開催 

コスモロジーの転換〜古代を新しく、未来を懐かしく〜

第16回 日時:2024年 3月30日(土)、3月31日(日) 午後12時半〜午後6時  

両日とも、10名限定。(1日で完結)

場所:かぜたび舎(京都)京都市西京区嵐山森ノ前町  *阪急松尾大社駅から徒歩5分

 *嵐山渡月橋に集合して、桜並木を歩いて事務所に向かいます。(徒歩20分ほど)。 

 *資料代として、おひとり様2,000円をいただきます。


私は、西洋世界が耳を傾けようとさえするならば、日本文明が与えることができる優れた教訓のかずかずを知らないわけではありません。それは、現在を生きるためには、過去を憎んだり破壊したりする必要はないという教訓であり、自然への愛や尊敬に席を譲らないで文化の産物の名に値するものはない、ということであります。

           クロード・レヴィ=ストロース

                                             

 

 

(左写真)「始原のコスモロジー 日本の古層Vol.4」

  2023年12月20日発行。現在、ホームページで販売中。



 

 新しい一年の始まりとともに能登の大地震が起き、危うい大地の上に生きている日本人の生の哀しさや儚さを改めて痛感しました。

 日本人の生は、この日本の自然風土と切り離すことはできません。

 現代を生きる私たちは、西欧から輸入した知識や技術に基づいて、世界観や人生観を作り上げていますが、近年の様々な出来事を見るにつれ、自分たちが生きている世界を根元から再確認することが大事になってきているように思います。

 コスモロジーというのは、私たちが生きている世界の捉え方(世界観)と、その認識に基づく生き方(人生観)が結合したものですが、現代社会の状況が30年後も同じだと信じていれば、疑問を抱かずに与えられたカリキュラムを続けるでしょうし、まったく違った世界になると信じれば、自分にどのような力が必要なのか、真剣に考えざるを得ません。

 人生観は、世界観によって決まります。そして、世界観というのは、時代によって置き換えられるものです。昨日までの常識が、明日もまた同じとは限りません。 そして、世界観は、環境によっても異なってきます。

 環境とは、自然風土や人工的環境、文化、そして出会いであり、出会いの中には、人だけでなく、書物や芸術表現など、自分に変化を与える可能性があるもの全てが含まれます。

 人は、その人の世界観に基づいて生き方を決めていきます。 そのことは、現代も古代も変わりありません。

 古代においても、人は、それまでの世界観を新しいものに置き換えざるを得ない事態に直面しました。

 日本の歴史には、幾つかの重要な転換期がありますが、今から1500年前と1000年前は特に重要です。1500年前は訓読み日本語や暦や神道儀礼など現在まで伝わる日本文化や日本の制度のルーツであり、1000年前は、「もののあはれ」という日本特有の表現世界のルーツです。いずれも、現代につながる日本人のコスモロジーに大きな影響を与えています。 なぜ、そうしたことが始まったのか。

 歴史を解ることは、過去の事例を数多く記憶することではありません。

 人間の世界観が、時代環境によって変化してきたことを理解したうえで、そのことが、どう人生観に影響を与えるのかを洞察し、現代における変化への心の備えにすることだと思います。

 

  今回で16回目となるワークショップ セミナーは、単なる過去の探究ではなく、敢えて「コスモロジー」という言葉を用いているように、私たちの世界観や人生観の変遷を、根元から再確認する場にしたいと考えています。


メモ: * は入力必須項目です