風天塾(ワークショップ・セミナー) 

古代と現代のコスモロジー (会場:東京 2023年6月24日、6月25日) 


第7回 日時:2023年 6月24日(土)、6月25日(日) 午後12時半〜午後5時  

両日とも、10名限定。

場所:かぜたび舎(東京)東京都日野市高幡不動(京王線高幡不動駅 徒歩12分)

 *高幡不動尊金剛寺に集合し、フィールドワークの後、会場(私の事務所)に移動。

 高幡不動尊金剛寺は、6月、山紫陽花祭の期間です。紫陽花が山全体に咲き誇ります。

 紫陽花祭の詳細→ https://sk-imedia.com/737

*資料代として、おひとり様2,000円をいただきます。


私は、西洋世界が耳を傾けようとさえするならば、日本文明が与えることができる優れた教訓のかずかずを知らないわけではありません。それは、現在を生きるためには、過去を憎んだり破壊したりする必要はないという教訓であり、自然への愛や尊敬に席を譲らないで文化の産物の名に値するものはない、ということであります。

           クロード・レヴィ=ストロース

                                             

 

 (左写真)出雲の国譲りとは何なのか? 近畿でも前方後円墳が築かれなくなっていた6世紀末、諏訪下社 秋宮の隣に築かれた立派な前方後円墳の青塚古墳。



 現代がネットワークの時代だということは、誰もが認識していることです。ネットワークの時代というのは、国家や企業などの組織、地域、さらに個人レベルであっても、何一つ個別では存在できず、様々な他者との関係性の中で存在しているということ。これは、20世期の中旬にレヴィー=ストロースが唱えた構造主義が、疑いようのない形で現実化されていることでもありますが、東洋思想においては当たり前の世界観で、仏教の華厳経でも同じ内容のことが、1200年以上前の日本でも説かれています。

 そして、ネットワークによって個々が存在しているというのは、現代に限らないことで、古代世界でも同じです。

 これまでの歴史観は、「個」に囚われがちな傾向があります。出雲勢力とヤマト王権の戦いとか、蘇我馬子やと藤原不比等の陰謀とか、「個人」や「個の組織」が何をどうした云々の記述が歴史であるかのような印象を与えます。

 しかし、「個」は、その時々の状況を作り上げている複雑なネットワークが、たまたま浮かび上がらせている実態にすぎません。「個」が歴史を作るのではなく、ある段階の歴史状況が、それらの「個」が出現する必然性を作り出すのです。

 第6回までのワークショップ・セミナーでは、京都で開催の時は、京都を中心とした近畿、東京で開催の時は、武蔵国を中心とした関東に焦点をあてて行いましたが、今回は、近畿と関東のあいだの飛騨や諏訪、出雲地方などを軸に、古代のネットワークに焦点をあてて行いたいと思います。 

 未来は、記憶の中に潜んでいながら意識化できない領域で、形になるのを待っている可能性があります。 

 現代の価値観の中で未来のことを考えるのではなく、歴史を俯瞰することによって、在るべき未来の姿が見えてくるかもしれません。


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