風天塾(ワークショップ・セミナー):東京開催 

コスモロジーの転換〜古代を新しく、未来を懐かしく〜

第17回 日時:2024年 4月27日(土)、4月28日(日) 午後12時半〜午後6時  

両日とも、10名限定。(1日で完結)

場所:かぜたび舎(東京)東京都日野市高幡不動

 *京王線高幡不動駅から徒歩12分。 

 *資料代として、おひとり様2,000円をいただきます。


私は、西洋世界が耳を傾けようとさえするならば、日本文明が与えることができる優れた教訓のかずかずを知らないわけではありません。それは、現在を生きるためには、過去を憎んだり破壊したりする必要はないという教訓であり、自然への愛や尊敬に席を譲らないで文化の産物の名に値するものはない、ということであります。

           クロード・レヴィ=ストロース

                                             

 

 

(左写真)「始原のコスモロジー 日本の古層Vol.4」

  2023年12月20日発行。現在、ホームページで販売中。



 

 新しい一年の始まりとともに能登の大地震が起き、その後も、各地で地震が報告されており、危うい大地の上に生きている日本人の生の哀しさや儚さを痛感せざるを得ません。

 日本人の営みと生の在り方は、この日本の自然風土と切り離すことはできません。

 現代を生きる私たちは、西欧から輸入した知識や技術に基づいて、世界観や人生観を作り上げていますが、近年の様々な出来事を見るにつれ、自分たちが生きている世界を根元から再確認することが大事になってきているように思います。

 また、人工知能の急激な発展により、人工知能にとって代われられない人間らしさについて、改めて、深く考えざるを得ない状況になりつつあります。

 世界観や人生観は、時代によって置き換えられるものです。昨日までの常識が、明日もまた同じとは限りません。 そして、世界観や人生観は、環境によっても異なってきます。

 環境とは、自然風土や人工的環境、文化、そして出会いであり、出会いの中には、人だけでなく、書物や芸術表現などがありますが、日頃あまり意識しないものとして、歴史環境があります。

 歴史認識が変わることは、環境が変わることに等しいと思います。

 日本は、西欧文明と異なる歴史を辿ってきましたが、その中で、畏れと清めや祓いをもとにした祈りの思想というべきものを熟成させてきました。

 これは、西欧文明のもとにある強い自我を、滅却する方向へと導く力があります。

 今日の世界の分断と対立の背景には、双方の強い自我の主張と衝突が横たわっていますが、そうした自我を滅却させる祈りの思想は、レヴィ=ストロースが述べた「日本文明が与えることができる優れた教訓」の一つではないでしょうか。

  今回で17回目となるワークショップ セミナーでは、日本に特有の文化や思想が育まれてきた背景を、より深く掘り下げていくことに重きをおきたいと考えています。


メモ: * は入力必須項目です