森永純 最新写真集 「WAVE〜All things change〜」(完売)

波・・・・すべては発動し、すべては循環する。

*森永純さんの最新の写真集が、完成しました。

 600部限定の豪華版です。シリアルナンバー付きです。

(申し込み順は、シリアルナンバーに反映されません)

*発行後、多くの人から感想をいただいています。→

 

*お陰様で、完売致しました。有り難うございます。

 


装丁/ハードカバーの黒布張り。タイトル/シルバーの箔押し サイズ/285mm×285mm  ページ数/136ページ  化粧箱入り(写真右)。



  定価10,000円 +800円(消費税8%) +800円(梱包・発送代)

  

 *完売致しました。


■森永 純 Jun Morinaga

1937年長崎生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。W・ユージン・スミスの助手を務める。個展に、1969年「モーメント・モニュメント」、1975年「波-海」など。1980年、写真集『河・累影』出版。以後、ニューヨーク、ベルリンにて個展開催。日本写真批評家協会新人賞、日本写真協会年度賞を受賞。東京都写真美術館、カナダ・ナショナルギャラリー、サンタバーバラ市立美術館、北海道立釧路芸術館などにコレクションがある。

 


森永純さんの映像+音楽(河・累影より)

森永純「WAVE 〜All things change〜」 について   (文)風の旅人 編集長 佐伯剛

 森永純さんは、ユージンスミスが号泣したと言われるドブ川の写真集「河 累影」(邑元社)を出した後、30年以上の長きにわたり、ひたすら波の写真を撮り続けている。

 1970年代のはじめ、日本の写真界を牽引していながら、森永純さんは、写真集をこれまでに『河 累影」(邑元社)の一冊しか世に出していない。

 「河 累影」は伝説的な写真集となって、今も根強いファンがいるが、森永さんは、写真集を作ることや、写真を発表することを主目的とせず、自分の内的必然性において、ひたすら写真を撮り続ける。誰かに見てもらいたいなどという媚びた欲求は持っていないのだ。

 そのストイックなまでの写真がユージンスミスの心を直撃し、男泣きしたと、ユージンスミス自身が後に語っている。

 ユージンスミスは、森永さんが撮ったドブ川の写真に、原爆のイメージを見いだしていた。

 森永さんは、長崎県出身で、原爆によって、家と父と姉を失っている。長崎に原爆が投下された時、森永さんは、佐賀県に疎開していた。

 戦争が終わって、自宅に戻ってきた森永さん。そこには、夏の強い日差しに輝く白い空間だけがあった、悲しみとか怒りといった感情は湧いてこなかった言う。

 森永さんの戦後は、その白い空虚から始まった。だから、森永さんは、1960年代のはじめ、ヘドロで悪臭漂う東京のドブ川の写真を狂ったように撮影し続けていた時、原爆のことはまったく考えていなかった。ただひたすら、自分の内的衝動にしたがって、ヘドロの川面すれすれのところまで顔を近づけて撮影していた。

 そして、森永さんは、そのヘドロの中に、生物が生きていることを発見していた。

 森永さんは、自分が撮ったドブ川の写真と、原爆を結びつけられることを嫌う。原爆を意識して撮ったことなんか一度もないからだ。しかし、ユージンスミスは、その写真の中に、原爆の影を見た。森永純さんが長崎出身だということを知らずに、森永さんと原爆の関係を見抜いていた。ドブ川の得体の知れない強烈なイメージが、彼の胸を貫き、泣かざるを得なかったのだ。

 そんな森永さんは、東京のドブ川を撮り切った後、ひたすら波の写真を撮り続けてきた。戦後、白い空虚から歩みを始めた森永さんは、戦後の日本社会に次々と建造されていく物質世界が、全て蜃気楼に見えていたのだろうか。そうした世相的なことにまったく関心を持たず、ドブ川を撮り、その後に波を撮り続けて、写真家人生をまっとうしてきた。

 森永さんが撮った波の写真は、巷でよく見られる癒し系の波写真とはまったく異なっており、それはまさしく森羅万象の根本的な律動。その律動は、当然ながら、命あるわれわれの中に息づいている生のリズムでもある。

 ヘドロだらけのドブ川の中に微細な生物を見いだしていた森永純さんは、波を通して、生と死の本質的な様相を嗅ぎ取っていたのだろうか。生が有で死が無なのではなく、もしかしたら、生死は波の起伏にすぎないかもしれない。

 もちろん、そんな分別を持って撮影していたわけではないだろうが、森永さんは、船に乗って波を見つめ続けている時、意識が溶け消え、恍惚とした境地のまま、何度も波の中に身を投じてしまいそうになって、とても危険だったと述懐していた。

 

  私が、風の旅人の第35号の特集で、森永さんの波の写真を紹介したいと申し出た時、森永さんは、30年も撮り続けていながら、まだ完成していないからと拒んだ。そこをなんとかお願いして、16ページほど紹介させていただいた。

 その時、森永さんのイメージの中では、あと4つほど波の相が必要だということだった。それが撮れるまで、波の仕事は終わらないと言っていた。

 波というのは、それなりに絵になるので、波の写真を撮って写真集にしている人はたくさんいる。あまり時間をかけることなく、同じ場所に立って、ザブンザブンと押し寄せてくる波を待って撮っている写真を作品だと言って発表している人もいる。そういう写真集は、すぐに飽きてしまう。人間が波を自分の都合の良いように切り取ったところで、それは波ではなく、波のごときデザインでしかない。

 森永さんは、かつてドブ川に取り憑かれていたように、波の複雑精妙さに取り憑かれて、30年以上も撮り続けている。森永さんは、何度見ても、波の中に新しい魅力を発見して飽きることがない。そういう人が撮った波の写真もまた、飽きることのない魅力がある。

  それらの写真は、刻々と変容していく波が見せる瞬間ごとの美しい相ではあるが、撮影によって波の動きを切断したという感じはせず、それ以前の動きと、それ以降の動きをつなぐ絶妙な均衡がとらえられていると感じる。それゆえ、写真という静止空間にもかかわらず、波全体および各部分がうごめき、波そのものの生が持続していることが伝わってくる。波は、それ以前の力を受けて次へと伝えながら絶え間なく変化し続けているが、どの一瞬を切り取っても同じものはない。波の一つ一つは常に新しい形を見せる。しかし、全体として見れば、いつまでも変わらない波ならではの摂理がある。繰り返し繰り返し、これまでも、そしてこれからも、その時ごとの必然性のなかで、なるべくしてなるように全体と部分を整えながら、次なる動きを生みだしている。

  波のリズムというのは、間違いなく記憶の深いところに働きかける力がある。そして、波そのものにこれだけ深く自己投入して撮影を続けてきた人は、森永さんを置いて、他にいない。

 


読者の感想

小説家 田口ランディさんの感想はこちら→

 

●森永さんの写真集が届きました。装丁も構成もすばらしいです。写真は……メールのような文章ではこのパッションをうまくお伝えすることができませんので、まとまった文章として改めてお送りいたします。おっしゃっていたことがとても理解できます。じんわりと染み入ってくる、不思議な波の写真。とても、うつくしいです……。

最高のプリント+最高の印刷・・確固たる美意識に裏打ちされたモノクロ写真集の極北であること、確信しました。

●簡単に撮れる様で、なかなか撮れないお作品ばかりで、持続は力なり、執念のシャッターチャンス、30年のご努力、他から推し量るべきすべもありませんが、とうに終わりから六番目の見開き写真は素晴らしく、「河ー類影』以降、到達された森永純氏の真骨頂に思えました。

WAVEAll things change〜」届きました。素晴らしい写真集を手にできて本当に嬉しいです。今後発刊される写真集にも期待しております。ありがとうございました。

この写真集は今世紀において最も霊的な写真集のひとつとなるはずです。世界を荘厳する光と水は、神聖すぎてまだ言葉にできません……。森永さんは、禅でいえば解脱したような方です。無我なのです、そのような芸術家に見える世界は、波であって波ではありませんでした。

写真集、開きました。理由がわからないのですが、涙がこぼれ落ちて慌てて拭き取りました。波しぶきのエネルギー?地球のちからのようなものが飛び込んできてびっくりしました。部屋の掃除をしてほこりがつかないようにして、またゆっくり、感じさせていただきます。とりあえず、いいものを届けて下さりありがとうございました。

一読しただけですが、ある特別な時間、深くて透明な時間を経験することができました。僭越ながら、やはり写真は、生きていく態度の表れなのだと、あらためて思いました。

森永純さんの「Wave」、拝受しました。ひとつの物事を突き詰めるとはこういうこと。

また、1枚1枚の写真により強い力を与える編集の力も凄いです。大切に、何度もページを繰って見させていただきます。
感嘆の一言です。どの頁もずっと見続けていたい、次はどんな波が待っているのか早く頁をめくりたい、ずっとそんな気持ちのせめぎ合いの中で見ていきました。最後の一枚。天地開闢という言葉が浮かんできました。今回の「波」の企画で森永さんのことを私は初めて知りました。本写真集を編集刊行して頂きありがとうございました。

森永純さんの写真集、言葉では言い尽くせないほど感動しています。わたくしの拙い文章力や表現力では、到底書き表せないほど感動しています。ですが、それほど感動を覚えている現時点、たぶん、私はまだ、森永さんの写真のごく表面だけしか見えていないと、今後、繰り返しこの写真集を見ることにより、その時の私の状態などにもより、その都度、そのたびごとに、もっともっといろんなことを私に語りかけてくれるのだと思います

たのしみにしていた森永純さんの写真集が届く。結界を受けたそれぞれの写真を通して、全宇宙と静かに繋がっていくような瞑想的確信を覚える。その一体化する感覚世界とは、ものすごく恐ろしいものなのだけど、一方で、どこか生まれる前の記憶を取り戻してくれるような、新しい懐かしさがある。

「波」 ただただ、圧倒されました。私にはまだこの写真集についての感想をお伝えするだけの力がないのですが、この作品群に展覧会で囲まれてみたいと思ってしまいました。おそらく手にとってみてからだと力強すぎて、購入にいたらなかったと思うのですが、ネット販売だったからこそ自分の手元に届いたと思えば何かしらメッセージが含まれているような気もしています。

この写真集は素晴らしく良く表現できていると思いました。モノクロ写真はクロの締まりと階調が命だと思ってます。買って良かった、長く待ったかいがありました。

写真集の出来につきましては、作品そのものは勿論、印刷、装丁、製本すべてについて私は大変満足しています。

私の期待に十分応える作品と編集で、見終わった後の心の平安がなんともいえませんでした。幼い時から波間にきらめくものを見ることが大好きで、よくバケツに水を汲んで眺めている子でしたから、ブログの森永純さまの作品を見たときには、心が震えました。まさにクオリアをとても意識する作品たちです。

写真集、期待以上でした。購入して良かったですよ。子供にもこれから送りますけど、きっと喜んでくれるでしょう。親父の人生観が良く分かるよと。

うるわしい蔵書が一冊、書棚に増えました。恵送されたような嬉しさを感じています。

本当に美しい仕上がりですね。この写真たちを大きなスクリーンでプラネタリュウムを見るようにして眺めたいな~とも思いました。

待ちに待っていたものだったので、感動でした。到着するまでの間、ご丁寧にご連絡くださり、

本当にありがとうございました。早速拝見させて頂き、素晴らしく感動です。

森永純さんの写真集「wave]」 無事届きました。セット箱を含め素晴らしい出来上がりで感激しているところです。

帰宅してからゆっくり拝見しますが、とてもきれいで丁寧な仕上がりになっていますね。ご苦労あったと思います、大変お疲れ様でした!

佐伯さんが言われていた様に、ゆっくり何度も見たくなる写真集だと思います。

待ちに待った写真集。美しい、だけじゃない、けど美しい。じっくりつきあっていきたいと思います。

待ちに待った写真集が届きました。30年以上に渡り海を撮り続けた森永純氏の「波」の「さざ波とうねり」はとても繊細で力強く「音」「光」「リズム」「生命のエネルギー」等、波を構成している全てを写真に捉えているよう… 

注文していた森永純最新写真集 「WAVEAll things change〜」が届く。素晴らしい‼︎ 

座右の写真集ができました。